疾患別紹介 / 腰椎分離症
夏も佳境になり、合宿も終わった選手が多い季節になりました。
疲労も溜まってきやすい季節ですので、しっかり体調を整えつつトレーニングを積んで秋のシーズンを迎えたい時期ですね。
山田クリニックではスポーツ疾患が得意なドクターやスタッフが集まっております。
スポーツで起きやすい怪我や復帰に向けたトレーニングについて、いくつか取り上げて解説していきたいと思います。
今回は腰椎分離症についてです。
腰椎分離症
腰椎分離症の症状
背中を反らす動作や体をひねる動作を繰り返すことで、ストレスがかかり、腰椎(腰の骨)の後ろ部分(関節突起幹部)に骨折(亀裂)が生じている状態です。
成長期では骨がまだ出来上がっておらず組織が弱いため、 スポーツを頻繁に行っている小学生~高校生に発症することが多く、特に一定方向へ動作を繰り返すスポーツ(野球・陸上など)で好発します。
(公益社団法人 日本整形外科学会 ホームページより引用)
腰椎分離症の診断
診断は主に問診と理学所見及び画像所見(レントゲン、 MRI、 CT)を用います。
いつからの痛みできっかけがあるのか、その動きで痛いのかなどを詳細に問診で確認し、その動作についてテストを行い、確認をしていきます(理学所見検査)。
その後、レントゲン検査にて骨折有無を確認していきます。レントゲンで明らかなものは写すことはできますが、細かくはMRI検査でその部位の骨髄浮腫(炎症の有無)を確認し、CT検査で更に詳細に進行度合を判断し治療方針を決定します。
治療方針
治療方針は主に装具療法とリハビリテーション治療に分けられます。
・腰椎分離症の治療(装具療法)
装具は硬性装具と軟性装具に分けられます。
硬性装具
プラスチックでその人それぞれの体型に合わせて採寸し、作成します。
骨が癒合するまで患部が動かないように、固定する装具です。
軟性装具
布と鉄の支柱でできています。プラスチック製の硬性装具ほどの固定性はありませんが、患部が動かないように固定します。
硬性装具とするか軟性装具とするかは年齢や怪我の状況などにより、患者様ご家族様と相談して決定します。
治療期間について
方針として疲労骨折を治す場合と骨折の治癒よりも早期復帰を目指す場合の2つに大別されます。
骨折の治癒を目指す場合はおよそ3~6ヶ月の装具療法と安静及びその期間にできるリハビリ加療を行う方針となります。
早期復帰を目指す場合は積極的に体幹(体の中心部)のトレーニングなどを行い、体の使い方を改善し痛みの出ない動き方を習得してスポーツ再開させていきます。およそ2~3ヶ月で完全復帰を目指します。
当院では腰椎分離症に対して、状態に合わせてスポーツ復帰を選手にとって最適な形で可能となるようご相談させていただきます。
お困りの方は診察からご予約いただければと思います。
以上、今回は腰椎分離症のご紹介でした。
また適時、スポーツ疾患についてもアップ予定ですのでご覧ください。
よろしくお願いいたします。